松皮菱段小文様小袖 染分綸子地 絞り染・刺繡・摺箔
マツカワビシダンコモンヨウコソデ
工芸品 染織
- 丈:139.5cm 裄:62.5cm
- 1領
- 重要文化財
辻が花に類する紋染で松皮菱形の段替りを構成し、細やかな刺繍と摺箔でさらに段文様をあらわす。刺繍は桃山時代の気分の大きさを名残りとしつつ、小文様を集合させ割り付けるという、江戸時代的な様相をしめす。注目されるのは金の摺箔で、黒紅地の部分に、まさに「地無し小僧」とよばれるように、枝垂桜や霞、青海波などの細緻な小紋型が詰められている点である。金色が濃色に映えるのはいうまでもないが、桃山時代よりも一段と光沢は冴え、それは箔を定着する接着剤や金箔の質の変化を想像させる。
全2枚中 2枚表示