9月18日、鎌倉坂ノ下にある御霊神社の祭礼に行われる面行列です。
奈良時代に盛んであった仏教布教のための仮面劇、「伎楽(ぎがく)」の面を用いて演じられます。伎楽はその後衰退したため、現在伎楽の面を祭礼に用いる例は全国的にほとんどなく、全国的に希少となった「伎楽面風流」を今に伝えるという意味で貴重な文化遺産となっています。
祭礼は同心・金棒を先頭に、囃子連、幟、神宝類、猿田彦、獅子頭、面をつけた10人、神輿とつづきます。面の名称は、いずれも俗の呼び方ですが、その行列の順番は、爺、鬼、異形、鼻長、翁、烏天狗、福禄寿、火吹男(ひょっとこ)、阿亀(おかめ)、女(さんば)とならびます。妊婦役のおかめのお腹は、豊年・豊漁のシンボルとされます。
もとは、鶴岡八幡宮の祭礼にも面行列は加わっていたといわれ、同じような行列は鎌倉市山ノ内の八雲神社にもあります。明治以後、鶴岡八幡宮では面掛行列を行わなくなり、八雲神社の祭礼でも面の展示のみが行われるようになったため、現在面掛行列を伝えるのは御霊神社のみです。祭り当日は、境内で鎌倉神楽(湯花神楽)がなされます。