燃える人

絵画 油彩画

  • 岡本太郎  (1911-1996)
  • オカモト、タロウ
  • 昭和30年 / 1955
  • 油彩・キャンバス・額・1面
  • 212.5×308.5
  • 左下に署名
  • 3回日本国際美術展 東京都美術館 1955

141 岡本太郎(1911−1996) 燃える人 1955年
 東京生まれ。父は漫画家岡本一平、母は小説家岡本かの子。1929年東京美術学校に入学したが、半年で中退し、父母の渡欧に同行してパリに留学。パリで幾何学的抽象やシュルレアリスムに接し、40年帰国。戦後は48年結成した「夜の会」等を通じ、新しい芸術運動をおこそうとした。70年大阪万国博のため《太陽の塔》を設計。
 戦後のヒロシマ・ナガサキ原爆被害写真公開、アメリカの水爆実験成功(1952年)、第五福竜丸被爆事件(54年)などをきっかけに原爆問題への関心が高まるなか、「原爆にさらされた人間」をテーマに描かれた作品。岡本は、戦艦、眼、黒く燃える人間、原子雲など具体的なモチーフを取り込みながら、激しい色彩、鋭角的な筆触、爆発するような構成でテーマを表現している。現実の出来事をそのまま造形のなかに持ち込み、造形要素に移し変える作業によって、見る者はその出来事の悲劇性をあらためて想起させられることになるのである。

燃える人

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