歴史資料/書跡・典籍/古文書 文書・書籍 / 宋
精神的基盤を禅に求めた茶の湯においては、墨蹟を茶掛けの第一とした。中でも虚堂の墨蹟は最も珍重された。大徳寺大燈国師、建長寺大応国師の法脈を遡れば、祖師に当たるが故であろう。虚堂は名を智愚、息耕と号した。育王山、径山などの名刹を暦住し、八十五歳で示寂した。この墨蹟は虚堂七十歳の時、侍者である徳惟禅者が、宝祐二年(一二五四)に諸方の仏祖の塔を巡礼するに当り、請われ与えた偈頌である。徳川家康(駿府御分物)-初代義直-三代綱誠-五代将軍綱吉-六代将軍家宣-四代吉通と伝来した。
虚堂智愚墨蹟〈与閲禅者偈頌/〉
虚堂智愚
鄱陽復道者あて偈頌
虚堂智愚(1185~1269)筆
大燈国師墨蹟 上堂語(凩墨蹟)
宗峰妙超筆