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平田郷陽(1903−1981)
HIRATA,Goyo
木彫布貼胡粉彩色人形・清泉(もくちょうぬのばりごふんさいしさにんぎょう・せいせん)
Doll,“Clear Fountain”
昭和36年(1961)
東京国立近代美術館蔵
木彫で体軀を彫りだし,顔や手足を胡粉などで彩色して,布を張って着物を表したものである。平田郷陽は東京浅草の人形師の家に生まれ,戦前は専ら写実的な人形制作を行っていたが,戦後は理想化された女性像に彼独自の境地を見出した。それは理想的なプロポーションをもつ大柄で,秀麗な美貌の女性である。そしてそれらは概して,頭部―体軀―腕・手―脚部が,様々な方向に引っ張りあい緊張感を持ちつつ繋がり統一されていくという独特な動きに支配されている。この作品もその典型といってよい。