ユパス

絵画 油彩画

  • 浜田浜雄  (1915-1994)
  • ハマダ、ハマオ
  • 昭和14年 / 1939
  • 油彩・キャンバス・額・1面
  • 52.0×64.0
  • 左下に署名、年記
  • 2回絵画展(「Upas」) 東京、銀座紀伊国屋画廊 1939

128 浜田浜雄(1915−1994) ユパス 1939年
 山形県米沢市生まれ。1934年帝国美術学校入学。在学中の36年第23回二科展初入選。37年グループ「アルゴ」、38年グループ「絵画」を同級生らと結成し、シュルレアリスムの影響を受けた絵画や写真を発表する。戦後は51年タケミヤ画廊で個展を開催するほか、グラフィックデザインの仕事を中心に活動し、53年「グラフィック集団」結成に参加。
 この作品の題名である「ユパス」とはジャワ島に産する樹木で、毒をもち、この木の上を飛ぶ鳥は即死して落ちると言い伝えられた。画面右よりの岩の上に、このユパスが芽を出している。つまりここでは害悪をもたらすものの誕生が象徴的に描かれているといってよい。泉や子どもたちの存在は平穏な世界を、そしてこのユパスや、ひび割れた大地は、迫り来る危機を表しているようにみえる。シュルレアリスムの画家ダリの影響を強く思わせる作品だが、描かれた当時の社会状況に対する画家の危機感を見落としてはならない。

ユパス

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