一隅

絵画 油彩画

  • 小磯良平  (1903-1988)
  • コイソ、リョウヘイ
  • 昭和40年 / 1965
  • 油彩・厚紙・額・1面
  • 116.5×114.5
  • 右下に署名、年記
  • 29回新制作展 東京都美術館 1965

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小磯良平(1903−1988)
KOISO,Ryohei

一隅
A Corner
1965年
油彩・厚紙
116.5×114.5cm
第29回新制作派協会展(東京都美術館)

神戸市の生まれ。東京美術学校西洋画科卒業。在学中の1925年に第6回帝展に初入選し,翌年の第7回展では≪T嬢の像≫で特選を受ける。28−30年滞欧。1930年光風会会員となり,32年には再び帝展で特選を受けるが,35年の帝展改組に反対し,36年新制作派協会を結成した。42年≪母子関を征く≫で第1回芸術院賞受賞。53年東京芸術大学教授。79年文化功労者。82年日本芸術院会員。83年文化勲章受章。
西欧の古典画法を自らのものとした小磯は,戦後の一時期,さらなる造形上の探求からキュビスムに関心を寄せた。この作品にも,その研究の跡がうかがえる。描かれている椅子や果物皿,填,マンドリン(もしくはリュート)も,キュビストがしばしばとりあげる題材である。しかし,一見したところ雑然とした画面には三角形の厳格な構図がとられ,無駄のない筆致で対象も効果的に描写されており,古典画家としての小磯の本質は失われていない。

一隅

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