室内(女)

絵画 油彩画

  • 里見勝蔵  (1895-1981)
  • サトミ、カツゾウ
  • 昭和2年 / 1927
  • 油彩・キャンバス・額・1面
  • 81.0×116.8

100 里見勝蔵(1895−1981) 室内(女) 1927年
 京都市生まれ。関西美術院、東京美術学校に学んだ後、1921年に渡仏、ヴラマンクに師事し、フォーヴィスム的作風へ向かう。25年に帰国すると二科展に滞欧作7点を出品し樗牛賞、また27年に二科賞を受賞。26年、パリ滞在時に親交を深めた前田寛治、佐伯祐三らと一九三〇年協会を結成。また30年には独立美術協会の結成に参画した。
 日本におけるフォーヴィスムの代表的作家として名高い里見であるが、とりわけパリからの帰国直後に集中的に制作された裸婦のシリーズは、ヴラマンクの模倣から脱し、フォーヴィストとしての里見の個性が確立していく作品群として重要である。赤と緑の補色対比を用いた強烈な色彩、動勢をはらむ奔放な筆触によって描かれた裸婦は、その圧倒的な存在感で室内の空間自体を変容させてしまう。本来水平であるはずの床板は、腰から左脚にかけての身体をひねる強い力の衝撃を受けたかのように、ねじ曲げられ、垂直に屹立する。

室内(女)

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