海戸遺跡は諏訪湖に向かって突出する岬状の台地先端部に立地している。
本遺品、強く内湾する口縁部と瓢単形に括れた屈折底をもつ胴部からなる。口縁部の一端を大きく占める顔面把手は外向きに作られ、丸くあけられた口、切れ長につり上がった目、やや上向きの小さな鼻、肉彫り風の眉などで顔面を造形している。顔面周辺には円形三孔を穿ち、沈線・V字形の切り込み等の装飾によって結髪状態を表現している。口縁の他の一端には蛇を抽象化したと考えられるような装飾がある。屈折底を除く胴部は縄文によって充填され、顔面把手および他の一端の抽象化した装飾から垂下する三条の隆帯が胴部中央まで認められる。