金銅経箱〈叡山横川如法堂埋納/〉
こんどうきょうばこ〈えいざんよこかわにょほうどうまいのう〉
工芸品 / 平安
- 京都府
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平安
- 甲盛、胴張りがある角丸長方形の経箱。合い口に覆輪があり、底は入れ底。蓋表中央に「妙法蓮華経」の五字を長方形の区画内に籠字(双鉤体)で記し、その外回りを宝相華唐草文で飾る。身は上方に宝相華唐草文を、下方に格挟間を蓋裏および内底には散華を線刻で現している。箱の表面には、鍍銀を施し、その間、題字箱の内側、底裏などはすべて鍍金とする。文様には、鍍金鍍銀を併せ用いる。また差し込み仕掛けの小金具を付した、一種の錠がある。
- 縦27.1 横12.1 高8.3 (㎝)
- 1合
- 京都国立博物館 京都府京都市東山区茶屋町527
- 重文指定年月日:19260419
国宝指定年月日:19520329
登録年月日:
- 延暦寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
慈覚大師円仁が法華経を書写して如法堂内の小塔に納めたのを、後に長元四年、比叡山首楞厳院の僧覚超らが改めて銅筒を造り、これに納めて堂裏に埋納しようとした際に、上東門院も法華経を書写し結縁のために経箱に納め、堂筒内に籠められたのが、この経箱である。その時の願文も共に伝えられる。
大正十三年十月比叡山横川如法堂跡に、如法堂再建のための基礎工事が行われた際に発掘された。