金銅宝相華唐草文透彫経筒 こんどうほうそうげからくさもんすかしぼりきょうづつ

工芸品 / 平安

  • 平安
  • 経筒は、銅製鍍金、板金を蝋付けして円筒形にしたもので、筒身中央を短冊形に画し、内に「妙法蓮華経巻第一」の文字を薄肉彫りして、間地に魚子を打ち鍍銀する。また筒身上下を二重連珠文帯で三区に画し、間地に宝相華唐草文を表す。連珠文・宝相華文はすべて透彫りとし、宝相華文にはさらに鋤彫りを加えて肉取る。附紺紙に銀泥で界線を引き、金泥にて法華経第一を書写している。紙数十三紙(後補遊紙共)。巻子装。
  • 総高21.9  口径3.5 (㎝)  重量90.0g

    経巻 縦21.0 本紙全長603.0(㎝)
  • 1口
  • 重文指定年月日:19860606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 萬徳寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

貴重な経巻を保存・荘厳するための筒形容器としては、正倉院宝物の経筒が知られるほか、平安時代後期の経塚に埋められた埋納用経筒が知られるが、本品は伝世品かつ透彫りであることから、堂内安置用のものと考えられる。繊細で優美な宝相華文や、精緻ながら柔らかい彫技を見せる鋤彫の技法などは平安時代後期の様式をよく伝えている。付属する法華経は、当初から経筒と一具であったかは確証がないものの、端正な和様の書風は、経筒と同時期のものとみて大過ないといえる。

金銅宝相華唐草文透彫経筒

ページトップへ