工芸品 / 奈良 平安
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奈良
- 七幅横継ぎに重ねた平絹を本紙とし、その上に撚金糸、緑、朱、茶、黄など各種濃淡色の絹染糸を用いた綴織の大小断片を集成したものである。観経変相図の一形式である当麻曼荼羅の図相は左右縁と下縁に観無量寿経の序段及び十六観相(うち下縁は三輩九品往生相)を配し、中央の広範な部分に同経の奥義である阿弥陀諸聖衆をめぐる極楽浄土の荘厳相を表す。綴織欠失部分は絵画により補足されている。
- 縦394.8 横396.9 (㎝)
- 1幅
- 重文指定年月日:19530331
国宝指定年月日:19610427
登録年月日:
- 當麻寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
仁治三年(1242)曼荼羅堂安置の厨子修理が行われた際、その保存のため厨子内に板装納置されたが、延宝年間に至り大雲院の性愚上人により板面から剥離され、現在の如く軸装されたと伝えられる。本紙の中央にあたる阿弥陀三尊を中心とした部分は極めて端厳なものがあり、宝冠等に用いられた金糸の華麗な手法になりながら、面相の描線のような流麗さがある。大幅でありながらも整然と構成されている点は見事であり、その充実した内容と共に高く評価される。