- 南北朝
- 黒漆塗り盛り上げの鉄と小札を一枚交じりに藍染めの黒韋をもって毛引に威し、耳糸、畦目は啄木、菱縫は紅染の猿鞣で施してある。胴は立挙前二段、後三段、衝胴四段、草摺八間五段とし、胸板、押付板、脇板、綿噛は獅子牡丹文染韋を張り、小縁とを色糸で伏組み、金具廻りに鍍金覆輪を施し、要所に鍍金入八双鋲の八双金物を打つ。総角付鐶は透菊座切子台を府市、紅糸角八ッ打の総角を存している。
兜は鉄地黒漆塗二方白三重に間頭形筋鉢で、筋を黒漆で塗り込め、前三条、後ろ二条に鍍金鎬垂覆輪を施し、鍍金威垣に一間宛鋲を打ち、頂辺孔は楕円形で、鍍金玉縁、小刻、裏菊座を伏せて八幡座とし、眉庇に抜立付。鍬形台を三光鋲で留め、小形の鍬形を挿す。しころ（革毎）は、饅頭形四段で三段を吹き返してある。
大袖七段鍍金板菊透彫の笄金物を表に打つ。 - 高39.9 兜鉢高10.6 大袖高41.0 （㎝）
- 1領
- 重文指定年月日:18990801
国宝指定年月日:19520329
登録年月日: - 厳島神社
- 国宝・重要文化財(美術品)
鎌倉時代末頃から軽快な胴丸が次第に合理性を備え、武将もこれを着用することにより、鎧の装飾性が加えられ変化発展した。本胴丸は、一部補修があるが、ほぼ原形をとどめ、仕立が精緻で雄大な趣のある形姿の典型的な優品である。
