宝厳寺唐門 一棟
宝厳寺は僧行基(六六八~七四九)の開基(竹生島縁起)になり、唐門は観音堂の右側面に接続している。向唐門で慶長八年(一六〇三)豊臣秀頼が片桐且元を奉行として、観音堂とともにほかより移建したものである。唐門については舜旧記(内閣文庫所蔵)慶長七年(一六〇二)六月十一日の条に「今日ヨリ豊国極楽門内府ヨリ竹生島ヘ依寄進壊始」とあるものに該当するものかどうか、明らかでないが、豪壮なその構造と雄健な装飾彫刻、金具などは、現存する桃山時代唐門の白眉である。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)