金剛輪寺本堂 こんごうりんじほんどう

建造物 宗教建築 / 室町

  • 滋賀県
  • 室町前期 / 1333-1392
  • 桁行七間、梁間七間、一重、入母屋造、檜皮葺
  • 1棟
  • 滋賀県愛知郡愛荘町大字松尾寺
  • 重文指定年月日:18981228
    国宝指定年月日:19521122
  • 金剛輪寺
  • 国宝

金剛輪寺本堂 一棟

 金剛輪寺は行基(六六八~七四九)の開基で、円仁(七九四~八六四)によって密教となったところと伝えている。西明寺、百済寺とともに、湖東三山と称されており、ともに類似した伽藍配置をしている。現本堂は、堂内の仏壇金具の銘によって、弘安十一年(一二八八)建立とされてきたが、様式手法からすると、室町時代前期まで下る可能性が高い。桁行七間、梁間七間、入母屋造で、組物は和様の出組としている。規模が大きく、木割も太い堂で、正面は七間とも蔀戸を用いている。内部は密教本堂の通例により内外陣に分けられ、ともに板敷で、外陣は虹梁をかけ天井を張るが、内陣は化粧屋根裏に造っている。全体の様式はほぼ和様からなっているが、内陣の若干の部分は拳鼻が使用されるなど、禅宗様の手法が混入する。なお内陣には、前記のように銘を有する仏壇がある。仏壇上の厨子は、室町時代前期の作と考えられる。

【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)

金剛輪寺本堂

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