萬代橋は,新潟市中心部と新潟駅を結ぶ国道七号に建設された,信濃川に架かる道路橋で,内務省復興局技師田中豊などの指導のもと福田武雄が作成した設計書に基づき,昭和2年7月に起工,昭和4年8月に竣工した。橋長306.9m,幅員22.0mの規模を有する広幅員の鉄筋コンクリート橋で,6連充腹アーチ形式の主径間の両側に側径間が配され,橋の東西には橋詰広場を接続する。
充腹された躯体側面全体に花崗岩を施す重厚な外観を呈しながらも,鈍重に陥らず,連続アーチの律動感が巧みに表現された近代橋梁であり,内務省復興局の探究した力学的合理性に基づく近代的橋梁美が体現された構造物として,橋梁デザイン史上価値が高い。
また,建設当時,鉄筋コンクリート構造物としてわが国で最大支間を実現した土木構造物であり,大規模構造物建設の技術的達成度を示す遺構として貴重である。