工芸品 / 鎌倉
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鎌倉
- 舎利容器は金堂の火焔を付す水晶球を蓮華座に安じたもので、舎利はその蓮肉の内に納められる。金堂製の蓮華座は三段葺の蓮弁、敷茄子、蕊、反花を有し、框座は四方角入りである。本容器は胴部において上下に開かれる花瓶型の銅製外容器に納められる。花瓶型外容器は、口に未敷蓮萃一輪を付す。五具とも蓮萃の金質、蓮弁の刻文に小異あるほかは、その形状に大差はないが、一具のみ稍が大きく作られている。鉄製多宝塔打ちに大きいもの(白)を中心に、小さいもの四基を四方[艮(赤)・巽(貴) 坤(青)・乾(黒)]に配されるべく作られているためである。
- 瓶形外容器 総高 大33.5 小29.7前後 (㎝)
舎利容器 総高 大14.8 小13.3前後 (㎝)
- 5具
- 重文指定年月日:19531114
国宝指定年月日:19531114
登録年月日:
- 西大寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
西大寺中興の叡尊が弘安六・七年に大工藤原宗安らをして作らせた舎利塔一具で、鎌倉時代における舎利奉安の最も完備した遺品である。形態は美しく、鋳銅および鍛鉄の妙技を見せる製作である。鉄宝塔に関しては、『思円上人一期形像記』弘安七年八月七日条に「鐵塔造立終功」、同九月二日「鐵塔供養」とある。