工芸品 / 鎌倉
- 奈良県
-
鎌倉 / 1284
- 方形の基壇を有する二層の塔婆で、下層は円筒形に近い覆鉢形を呈し、四方開きとなすが、建造物の多宝塔に見るような軒は設けない。上層は丈の低い円筒形で、回縁、高欄をつけ、腰の組斗栱は三斗である。扉は設けない。屋根は本瓦葺状に鋳出すが、軒裏には三栱を設けず、四隅に風鐸を付す。相輪は露盤、覆鉢、請花、九輪、四葉花座を付し、項には火焔を有する宝珠を三段葺の蓮座上に安置し、隅棟飾鎖には風鐸各三個を付す。檫に陰刻銘がある。
- 総高163.6 基壇方65.1 塔身下端径43.3 軒幅67.6 (㎝)
- 1基
- 奈良国立博物館 奈良県奈良市登大路町50
- 重文指定年月日:19531114
国宝指定年月日:19531114
登録年月日:
- 西大寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
西大寺中興の叡尊が弘安六・七年に大工藤原宗安らをして作らせた舎利塔一具で、鎌倉時代における舎利奉安の最も完備した遺品である。形態は美しく、鋳銅および鍛鉄の妙技を見せる製作である。鉄宝塔に関しては、『思円上人一期形像記』弘安七年八月七日条に「鐵塔造立終功」、同九月二日「鐵塔供養」とある。