楽焼白片身変茶碗〈銘不二山/光悦作〉 らくやきしろかたみがわりちゃわん〈めいふじさん/こうえつさく〉

工芸品 / 江戸

  • 長野県
  • 江戸
  • 素地は荒い砂まじりの白土、これに透明性低火度の白釉が厚くかかった楽焼きの茶碗。成形は手造りで、形は切立ち円筒形。口造りは比較的厚く、これを平らに削いだいわゆる「山道」形の縁。底は平らで、これに低く幅広の高台をつける。作風は簡素ながら雄渾で、胴の下半分は内外面ともに炭化して暗灰色を帯び、幽玄な趣を添える。
  • 高8.5 口径11.5 (㎝)
  • 1口
  • 公益財団法人サンリツ服部美術館 長野県諏訪市湖岸通り2-1-1
  • 重文指定年月日:19520329
    国宝指定年月日:19521122
    登録年月日:
  • 公益財団法人サンリツ服部美術館
  • 国宝・重要文化財(美術品)

不二山は、光悦作の楽茶碗の中でも最も有名で、品格特に高く、光悦五種、七種、十種にはいづれもこれを挙げている。
光悦の娘が嫁ぐ際に、先方の懇望によって、本茶碗を振袖に包んで持参したと伝えられ、一名には振袖茶碗とも呼ばれている。また、光悦筆の共箱を伴うものは極めて稀である。天保九年に比喜多権兵衛から酒井雅楽頭忠学の蔵となり、同家に伝来した。
光悦茶碗の代表作としてのみならず、和物茶碗中の白眉と称しても過言ではない名碗である。

楽焼白片身変茶碗〈銘不二山/光悦作〉

ページトップへ