小袖〈繍箔風景四季花文/〉 こそで〈ぬいはくふうけいしきはなもん〉

安土・桃山

  • 京都府
  • 桃山
  • 表は紗綾形綸子地、裏は紅平絹(後補)の袷仕立てである。表地は、黒、白、紅の三色で山形、雲形など不定形に染め分ける。文様は、黒地の全面に霞、花入亀甲、菊唐草、紗綾形、流水、七宝などを金摺箔で表す。白地には、草花、鶴、陋屋、紗綾形、入子菱、亀甲、講師などを色糸で刺繍する。紅地には桜枝文を鹿子絞りで表し、桜花の一部を金糸(銀糸か)で駒繍する。松鶴草花を色糸で刺繍する。両内袖、両衽の一部には異なる紗綾形綸子地の裂が接ぎ合わされている。
  • 身丈143.8㎝ 裄61.5㎝ 前幅25.2㎝ 後ろ幅32.7㎝ 袖丈52.4㎝ 袖幅28.5㎝
    衽幅14.9㎝ 衽下り24.5㎝ 襟幅11.5㎝ 襟肩あき8.5㎝ 襟下24.5㎝
  • 1領
  • 京都国立博物館 京都府京都市東山区茶屋町527
  • 重文指定年月日:19630701
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 国(文化庁)
  • 国宝・重要文化財(美術品)

直線と曲線を複雑に組み合わせた区画に、絞り染めや摺箔、刺繍などを用いて精緻な文様を表し、元和・寛永年間(1615~44)に流行した「慶長小袖」と呼ばれる小袖である。染分によって複雑な区画割りを施した中に、桜、菊、松、鶴、霞、亀甲紗綾形、流水、七宝など良く用いられる文様のほか、唐獅子や土筆、棕櫚竹、楼閣なども表されている。金摺箔、刺繍、絞りの三技法による精緻な文様を集合的に配する方法、抽象的な区画構成など、慶長小袖の典型を良く示す貴重な資料である。

小袖〈繍箔風景四季花文/〉

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