三内丸山遺跡は、青森県青森市大字三内に所在する、縄文時代前期から中期を主とした大規模な集落遺跡である。
第六鉄塔地点および、住居跡から出土した主要な遺物1,958点は、平成15年(2003)に重要文化財に指定されている。これらに、土坑・土坑墓・土器埋設遺構・竪穴状遺構、盛土、北の谷からの主要な出土品1,831点と、第六鉄塔地点および住居跡出土の24点を追加する。
これらの内容は多岐にわたるが、特に盛土からの出土品は多種多量である。縄文時代前期から中期にかけての土器が多量に、かつ層位的に出土し、この他には土製品および各種石器・石製品も多数出土している。特に土偶は多量で、縄文時代中期における変遷がよく表れている。石器・石製品の中には遠隔地石材も含まれており、北陸からもたらされた大珠や玦状耳飾りの素材である硬玉・蛇紋岩等は特徴的である。
北の谷からの出土品の特徴は、多彩な有機質素材の製品であり、縄文時代前期のクマやイノシシの歯牙で作られた垂飾、鯨骨製の骨刀等の骨角牙製品、その他木器・木製品や漆塗製品である。
これらは、縄文時代前期中葉から中期末葉にかけての豊富な出土品で、土器・石器に加え、有機質資料にみられる多様な素材利用の在り方は、縄文時代における人々の連綿とした生活を復元できる。集落で営まれた各時期の生業・祭祀・交易などの実態を詳細に理解できる。