白山麓【はくさんろく】の鶴来【つるぎ】町(ダム建設のため、尾口村深瀬地区の人々が移住した)と尾口村東二口区の二か所に伝承される人形芝居で、文弥人形【ぶんやにんぎよう】、文弥くずしなどと呼ばれる。文弥節による一人遣いの人形芝居で、人形の腰部の後から両手を差し込み、胴串と両手を遣う古い型を残し、また東二口では、ゴロマと呼ばれる間狂言の人形も伝えられている。文弥人形としては、わずかに当地と佐渡などに残るのみで、地方的に特色があり、また芸能史的にも貴重である。上演曲目には「源氏烏帽子折」、「出世景清」など数曲がある。