筑紫流箏曲 つくしりゅうそうきょく

伝統芸能 音楽

  • 選定年月日:19570320
  • 記録作成等の措置を講ずべき無形文化財

 筑紫流箏曲は、平安時代末期から北九州地方に流布していた箏曲を僧の賢順が大成したもので、明治のころ、野田聴松が前川れいと井上ミナに伝授した。筑紫流箏曲は、楽箏と俗箏との分岐点に位置し、生田流、山田流の箏曲も筑紫流箏曲をも学んだ八橋検校の流れをくんでいる。
 楽器は雅楽の箏と同形の箏を用い、爪は雅楽の箏の爪よりも、爪先が細長く、帯が狭くできている。筑紫流箏曲は、演奏することによって徳性を涵養しようとするものであり、決して娯楽の具とするものではないとされて来た。曲目には、雅楽の越天楽の影響を受けている「布貴」をはじめ、梅が枝、小倉の曲、四季などがある。
 筑紫流筝曲は、上述のように音楽史上に重要な地位を占めるものであるが、現在は非常に衰微している。

筑紫流箏曲

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