S50-1-006平川廃寺跡.txt: 平川廃寺跡は、南山城の木津川東岸、宇治丘陵縁辺の低い台地上に位置する奈良時代後期創建の寺院跡である。
検出された伽藍中枢部のうち、塔跡は一辺17.2メートル、現存高1.4メートルの基壇をもち、礎石据付痕跡から柱間が3.5メートル等間のものである。基壇周辺は玉石を並べて地覆とし、上に半截平瓦を積んでいる。塔跡の東約8.5メートルをおいて、東西22.5メートル、南北17.2メートル、現存高0.7メートルの金堂とみられる基壇がある。基壇周辺化粧は塔とほぼ同様である。この塔と金堂をかこんで、東西約82メートル、南北約65メートルを回廊基壇がめぐる。その外にさらに寺域を限るかとみられる[[築地]ついじ]痕跡がある。
平川廃寺跡は、大規模な塔をもち、南山城地方の奈良時代寺院を代表するものとして貴重なものである。