S50-1-009野方遺跡.txt: 福岡県北部、早良平野の西縁、叶岳の東麓に形成された扇状地上に野方遺跡がある。
昭和48年度に実施された発掘調査によって、濠をめぐらした集落とその北に基地がいとなまれ、その後集落が周濠外に広がり、しだいに墓地域に及んでいく状況が明らかになった。
これまで検出された竪穴住居跡は93棟、甕棺・石棺等は15基で、未調査部分も含めるとおそらくそれに数倍する遺構が予想される。出土遺物は土器がほとんどで、小量の石器と鉄器があり、基地からは鏡片や玉類が発見されている。
これらの遺構と遺物の状況から、この墓域をともなう集落は、弥生時代末期から古墳時代にかけての北九州社会の推移を知るうえで貴重な資料を提供するものといえよう。