木造地蔵菩薩立像 もくぞうじぞうぼさつりゅうぞう

彫刻 / 平安

  • 平安
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19840606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 大善寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 等身大の地蔵菩薩立像で、両手首を除いて足下の台座蓮肉部まで一材から彫成し、体部にのみ比較的小さな背刳りを施した古様な一木造りの構造を示す。肉付き豊かな厚い胸の形や、渦文を交える翻波式衣文の深くつよい彫りくちにも、平安初期の諸像に通ずる特色がみとめられるが、面貌がいくぶん和らぎ、体躯は腰以下の量感がさほど強くないところから、十世紀に入っての制作と考えられる。現状の両手首より先は後補で、もとは錫杖【しやくじよう】を持たずに右手を与願印とする古式の像容であったかと想像され、奈良・法隆寺像(国宝)などに次ぐ地蔵菩薩像の古例として貴重である。
 保元二年(一一五七)、都に至る街道の入口に分祀された京都六地蔵の根本像と伝えられている。

木造地蔵菩薩立像

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