紫檀螺鈿宝相華鳳凰文平胡籙 したんらでんほうそうげほうおうもんひらやなぐい

工芸品 / 平安

  • 平安
  • 背板は糸柾の桧の薄板を胎として両面に紫檀板を貼り、表裏それぞれ四枚と三枚の材を縦に矧ぐ。周縁には金銅製の覆輪をまわしてその先を小さく造り出し脚とする。表面中央部には、宝相華を軸とする鳳凰文を上下に大きく配し、その周縁に縁取るように細緻な宝相華唐草文を表す。裏面は全面に螺鈿の鳳凰と宝相華とを散らす。方立は背板と同様の構造で、全面に螺鈿鳳凰宝相華を、側板の清谷接する部分には半切の鳳凰円文を配し、上下円及び正面に間の格狭間には金銅の覆輪をかけ、底板には水除け孔をつくらない。矢配櫛板は、桧板製三十二枚でいずれも上面に墨を塗り、これを挟む前右面の板は金銅覆輪付きで錦を貼る。清谷は菊座金鳩目付きの矢搦緒通孔二個をうがち、矢束ねの鈎形金具と銀台鍍金の鳳凰形金具を表裏に打つ。
  • 総高32.0  背板上辺幅21.4  上辺幅14.0  
    方立幅23.7  奥行(含覆輪)7.0  覆輪幅0.7  
    方立高5.7  (㎝)
  • 1腰
  • 重文指定年月日:19640526
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 宗教法人神慈秀明会
  • 国宝・重要文化財(美術品)

螺鈿、瑠璃及び金具の一部は欠失するものの、貴重な材を駆使した繊細華麗な趣を良くとどめる。木地螺鈿の平胡籙として、大治六年(1131)銘のある春日大社のものに次ぐものである。

紫檀螺鈿宝相華鳳凰文平胡籙

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