工芸品 / 鎌倉
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鎌倉
- 鋳銅鍍金
(独鈷鈴)舌以外は一鋳。鈷の鋒は断面方形で、先を細く鋭くし、著しく匙面をとって節は高い。把は総体に太く、中央八方に楕円形縦長の鬼目を大きく表し、蓮は二重にほって芯は魚々子を打ち、上下の蓮華は珠文帯でゆるやかに約し、その最下方の蓮弁はゆるやかに開いて鈴体上部に冠する。鈴身は無圏素文。舌は八角露形金具を垂下する。
(五鈷鈴)鈴身、把部の意匠形状は前者に著しいが、把の上部蓮弁をややひらいて、上に極めて大形の豪快な五鈷を乗せる。
(宝珠鈴)鈴身、把部の形状前者に同じ。把部頂上の円板に宝珠五箇を乗せ、さらに二枚に別鋳された透彫火炎を炎脚に柄を出して装着する。
(塔婆鈴)把部頂上円板までは前者同様。円板上面を深くくぼめて周に立ち上がりをつくり、内部空洞の宝瓶形塔の底部を磨き合わせて冠する。
- 独鈷鈴 総高26.0
五鈷鈴 総高25.6
宝珠鈴 総高25.7
塔婆鈴 総高27.8 (㎝)
- 1具
- 重文指定年月日:19560628
国宝指定年月日:
登録年月日:
- 尊永寺
- 国宝・重要文化財(美術品)
独鈷、三鈷、五鈷、宝珠、塔婆の五口の鈴よりなる五種鈴のうち、三鈷鈴を除く四口の遺品。簡素な鈴身は口径に比して丈高く、鈴身に比して柄の金剛が雄偉、把は太く力強く、鈷、宝珠、宝甁は簡素で豪快な形状を示している。金剛鈴の遺品の中では珍しい形姿で、密教法具類中異彩を放つ一群。