舞楽所用具 ぶがくしょようぐ

工芸品 / 江戸

  • 江戸
  • 重文指定年月日:19830606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 輪王寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 輪王寺に伝存する舞楽所用具は寛永十三年(一六三六)四月、日光山東照社(現日光東照宮)でおこなわれた徳川家康(一五四二~一六一六)の第二十一回神忌に際して調製され、その後大猷院【たいゆういん】に引き継がれたものである。
 同寺所蔵の『東照大権現二十一回御忌記』によれば第二十一回神忌は東照社の落慶式をも兼ねて十七日から十九日までの三日間を中心に盛大にとりおこなわれ、この時舞楽が奉納されたことが知られる。舞楽所用具を収めた黒漆長持(現在九合)の側面には、内容書とともに寛永十三年四月の朱漆銘が記され、また舞楽所用具のうち、陵王【りようおう】・採桑老【さいそうろう】・還城楽【げんじようらく】・抜頭【ばとう】・貴徳【きとく】の各面裏、一鼓【いつこ】の胴内にも寛永十三年の銘がある。装束にみられる刺繍や唐織等の技法、太刀等に施された蒔絵【まきえ】・螺鈿【らでん】・彫金の技法にも江戸時代初期の特色が窺われる。総体的に散逸・損傷の少ない状態で装束を中心に面や道具など総点数八三四点が一括して伝存しており、わが国古来の舞楽の伝統を知るうえで価値高く、また江戸時代における基準的な工芸資料としても貴重である。

舞楽所用具

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