染分風景花卉模様繡箔小袖 そめわけふうけいかきもようぬいはくこそで

工芸品 / 安土・桃山

  • 桃山
  • 表は紗綾形に花文散しの綾、裏は紅平絹の袷仕立で、地は直線・曲線を複雑に組合せて黒・紅・白の不定形に染め分ける。紅地・白地には刺繍で松・楓・菊・紫陽花などの花卉類や入子菱・雷文繋などの文様を精緻に施すとともに、鹿子絞りで紫陽花や幾何学文を表す。黒地には霞文・紗綾形・菊花文などを金摺箔で表した跡を留めるが、現在金箔はすべて剥落している。
  • 身丈137.6 裄56.6 袖丈40.0 袖幅26.2 (㎝)
  • 1領
  • 重文指定年月日:19820605
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 国宝・重要文化財(美術品)

動的で大胆な染め分けによる地に、細緻な文様を配した一種独特の様式は、桃山末から江戸時代初期にかけて現れた、いわゆる慶長小袖の典型を示すものである。一般に、慶長小袖は生地に綸子を用いることが多いが、本品は綾(地経四枚・文緯四枚綾)である点珍らしい。既に重要文化財に指定されている小袖繍箔風景四季花文(鐘紡株式会社蔵)とともに、数少ない慶長小袖の遺品として貴重である。

染分風景花卉模様繡箔小袖

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