門葉記 もんようき

歴史資料/書跡・典籍/古文書 その他 / 南北朝 室町 安土・桃山 江戸

  • 南北朝~江戸
  • 122巻
  • 重文指定年月日:19880606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 青蓮院
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 『門葉記』は尊円親王(一二九八~一三五六)が天台宗青蓮院門跡の祖行玄大僧正以来の青蓮院歴代の御修法、所領、雑事などに関する記録を集大成したもので、その後の増補も含め天永年間(一一一〇~一三)から応永年間(一三九四~一四二九)に至る約三百年間にわたる天台宗関係の基本史料として知られている。
 青蓮院伝来になるこの『門葉記』は、その原本で、当初の巻数は未詳だが、時代を追っての欠佚があり、また補填も行われ、現在は百二十二巻を存している。
 本書の構成は、台密の最も重要な秘法である熾盛光法をはじめ、七仏薬師法、普賢延命法などの修法供養法記十種、ついで青蓮院流の受戒次第を記した入室出家受戒記、行玄以下の十八代の門主行状などあわせて二十種に部立編成されている。体裁はいずれも巻子袋で、尊円親王の当時の厚手楮紙の原表紙を存するものもある。料紙は楮紙で、巻によっては天地に単横罫を施して用いるものもある。本文の記事・注記等が一部紙背に及ぶものもあり、所々に諸記録からの追記もみえるほか、文中一部に墨傍訓、送仮名、朱声点や朱頭点、朱拘点などが付されている。記事中には尊円親王入滅後の法会を収めた巻や、尊道親王の書写奥書、文明十一年(一四八四)実助書写奥書のあるものもあり、尊円親王没後にも歴代門跡等による増補が行われたことを伝えている。
 本書の大部分には書写奥書はないが、その筆跡よりみて二十八巻は尊円親王自筆と認められ、またこれを含む五十四巻の表紙外題は尊円親王自筆と認められ、成立当初の姿を伝えて貴重である。
 附の写本は文化年間(一八〇四~一八)に尊真親王が『門葉記』原本を新写および増補させた冊子本で、写本百二冊、増補本四十七冊の計百四十九冊からなり、原本の欠を補うものとして貴重である。

門葉記

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