絵唐津菖蒲文茶碗 えがらつあやめもんちゃわん

工芸品 / 江戸

  • 福岡県
  • 江戸 / 1601-1700
  • 素地は砂粒混じりの鉄分を多く含む灰褐色陶胎で、轆轤成形した半筒形の茶碗である。胴の下部は緩やかに膨らみ、篦削りを施す。口辺はわずかに外に開き、端部を丸く仕上げる。内面底部は中央に向かってわずかにくぼむ。高台脇から腰は緩やかに膨らみ、篦削りを施す。底には高台を低く削り出す。高台内は渦状に削り、中央が兜巾状に突出する。
     胴の二方には、菖蒲の文様を鉄絵で描き、内外面全体に土灰の混じった長石釉を掛けるが淡黄白色に発色する高台下端から高台内は土見せとし、高台の際には指痕が残る。
     口辺および内面の一部に繕いがある。胴部の二方には大きな貫入が入る。
  • 高9.3 口径12.3 高台径6.5 (㎝)
  • 1口
  • 福岡県福岡市中央区大濠公園1-6
  • 重文指定年月日:20060609
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 一般財団法人田中丸コレクション
  • 国宝・重要文化財(美術品)

鉄絵具で文様を施した絵唐津の製品である。半筒型の大振りで力強い形姿を有する茶碗。胴の二方には腰を地平線に見たてて、そこから茎や葉を伸ばす菖蒲の文様が、素朴ながら手慣れた筆致で軽快に描かれる。作行き優れた絵唐津の茶碗を代表する優品である。

絵唐津菖蒲文茶碗

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