籃胎蒟醬盛器「水面」 らんたいきんまもりき「みなも」

工芸技術 漆芸 / 昭和以降

  • 太田加津子  (1934~)
  • おおた かつこ
  • 平成13 / 2001
  • 籃胎(木、竹)漆塗、蒟醬
  • 高3.5 16.2×70.0
  • 1口
  • 文化庁分室(東京都台東区上野公園13-9)
  • 第48回日本伝統工芸展
  • 国(文化庁)

 蒟醬は、漆芸の装飾技法の一つで、漆地を蒟醬剣(彫刻刀)で彫り、彫溝に色漆を埋めて研ぎ出し、文様を表す技法である。江戸時代末期以来、現在の香川県高松市で盛んになった。
 本作品の素地は、榀(しな)の板の芯に竹ひごを編んだ網代を重ねた籃胎である。網代の編目を漆地の表面に微かに浮かび上がらせて、静かな水面を表現し、蒟醬で水草の菱を描いている。大小疎密の点彫を使い分け、緑漆を基調とする菱のところどころに黄・朱・褐色漆が併用され、グラデーションによる表現の工夫もみられ、効果的である。

籃胎蒟醬盛器「水面」

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