この芸能は、兵庫県三原郡南淡阿町万上町に伝承される芸能規模の大きい小歌踊の一種で、もとは雨乞祈願の風流ともいわれた。
踊は大別して、大踊(花の踊・恋の踊・坂本踊など七番)と小踊(神楽踊・与作踊・千石踊など八番)、それに狂言(浦島太郎・墨塗女・雷など八番)をもって構成され、最初に大踊、次に小踊を交互に踊り、随時に狂言をその間で上演する。
この芸態および演出法には、初期歌舞伎踊の風をしのばせるものがあり、芸能史的にも貴重である。
また、チャツキリコ・笛・鉦・太鼓のほかに拍子木や三味線の近並楽器が用いられ音楽史的にも重要な芸能である。公開は一月、五月、九月の第一日曜日。