彫刻 木像 / 平安
平安時代後期の美意識を反映した、温雅な面立ちの地蔵菩薩である。像内の墨書から久安2年(1146)11月に源貞兼(みなもとのさだかね)が現世安穏と後生菩提のために造立したことが知られていたが、近年、本像と同人とみられる願主や結縁者(けちえんしゃ)を記した像高4尺の阿弥陀如来坐像の存在が確認されたことにより(文化庁蔵)、本像は阿弥陀を中心とする三尊像の脇侍であった可能性が考えられるようになった。当初の彩色をとどめる平安時代後期の基準作としても、貴重な遺例である。
木造地蔵菩薩立像
木造弘法大師坐像
木造阿弥陀如来及両脇侍坐像(往生極楽院阿弥陀堂安置)