円成寺庭園 えんじょうじていえん

名勝

  • 奈良県
  • 奈良市忍辱山町
  • 指定年月日:19731009
    管理団体名:
  • 史跡名勝天然記念物

S48-05-145[[円成寺]えんじょうじ]庭園.txt: 北に丘陵を負い南に向かって開けた柳生谷の南部の山裾の台地にある。
 円成寺の開創は、天平勝宝年間と伝えられるが、万寿3年(1026)僧命禅のとき精舎を興して円成寺と号し、仁平3年(1153)に至って僧寛遍が再興して荘厳を整えた。文正元年(1466)本堂はじめ一切の堂塔が焼失し、翌年再建された。現在の伽藍の配置と庭園の地割とは、この焼失前の形態を存続している。
 池の形は、真言の種字をかたどったものと伝えられ、東西に横長く、中心に1島、ほかに2島がある。池の汀線は屈曲のある土留め護岸とし、中心の中島に向かってくびれこんだ形態をもつ。池辺にみるべき石組その他の細かい手法はなく、また植栽の現状もやや荒廃しているが、庭園全体の地割はよく残されていて、本堂・石灯籠・楼門・石階・石橋・中島・板橋を一直線に貫く整形的な配置は、この時代の寺院に盛行した浄土庭園の形式を厳格に踏んで堂塔荘厳を意図したものである。
 平安時代後期の浄土庭園の典型的な遺構として類例のまれなものであって、庭園文化史上きわめて貴重である。

円成寺庭園

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