生目古墳群は、日向灘の海岸線から約7キロメートル西に位置し、宮崎平野を流れる大淀川西岸の標高25メートル前後の跡江台地上の南北約1.2キロメートル、東西約1.2キロメートルの範囲および台地周辺に築造された、古墳時代前期初頭から中期後半の古墳群である。保存状況の良い古墳群として古くから知られており、墳丘長100メートルを超える前方後円墳が3基含まれる南九州の代表的な首長墓群として、前方後円墳7基、円墳36基の合計43基が昭和18年に史跡指定された。
その後、昭和37年に生目村が行った点検作業により、既指定地外で新たに2基の円墳が確認された。また、平成5年から17年にかけて史跡公園整備計画等に伴う範囲確認のための発掘調査が宮崎市教育委員会によって行われた。その結果、周堀が既指定地を越えて拡がるものや、隣接する未指定地に新たに円墳7基を確認した。このほかに、地下式横穴墓を36基、土坑墓を49基、円形周溝墓を3基確認した。また、既指定の43基のうち1基が古墳ではなかったことも判明した。
このうち、地下式横穴墓は前方後円墳や円墳に伴って、周堀内や周堀外側などに造られており、特徴的な在り方を示す。中でも、残存墳丘長が46メートルの前方後円墳である7号墳では、後円部の墳丘中央に向かって18号地下式横穴墓が築かれている。この7号墳では、後円部墳頂でこの古墳の中心的な埋葬施設と推定される墓坑を確認しており、18号地下式横穴墓との関係が注目される。
今回、未指定地に拡がる周堀部、新たに確認した円墳、地下式横穴墓、土坑墓、円形周溝墓を含む地域のうち、条件が整った部分の追加指定を行い、保護の万全を図ろうとするものである。