旧東京科学博物館本館は、東京博物館の震災復興施設として建設され、昭和6年9月に竣工した。設計は文部省大臣官房建築課で、文部技師糟谷謙三が担当した。
本館は飛行機型の平面をもち、構造は、鉄筋コンクリート造を基本とし、地上3階、一部4階、地下1階建である。
内部には、展示室のほか、映写室付きの講堂や赤道儀室を備えており、我が国最初の本格的な社会教育施設としての博物館建築として、高い歴史的価値がある。
また均整のとれた立面構成とともに、中央広間・貴賓室・館長室・講堂など室内意匠の密度も高く、震災復興期における文部省営繕の設計水準を示す建築作品として重要である。