金胎蒔絵漆箱 「飛翔」 きんたいまきえうるしばこ「ひしょう」

工芸技術 漆芸 / 昭和以降

  • 寺井直次  (1912~1998)
  • てらい なおじ
  • 昭和63 / 1988
  • 金胎漆塗、卵殻、蒔絵、螺鈿
  • 高16.0 14.0×21.0
  • 1合
  • 文化庁分室(東京都台東区上野公園13-9)
  • 第35回日本伝統工芸展
  • 国(文化庁)

 蒔絵は、漆芸の装飾技法の一つで、漆に金粉や銀粉などを蒔き付けて文様を表す技法である。奈良時代に技法の源流がみられ、平安時代以降我が国で高度に発達した。金属板を用いる平文、貝を用いる螺鈿などの技法が併用されることが多く、多彩な表現が行われる。
 本作品には卵殻、蒔絵、薄貝螺鈿の技法が併用され、純白の丹頂鶴が湿原を飛翔する姿が描かれている。卵殻は、卵の殻を貼って純白の文様を表す技法である。卵殻を得意とし、蒔絵技法と効果的に組み合わせて用いる作者の特色がよく表れている。素地は、アルマイトに漆を浸透させた金胎である。
 昭和62年度文化庁工芸技術記録映画「蒔絵-寺井直次の卵殻のわざ-」の対象作品である。

金胎蒔絵漆箱 「飛翔」 きんたいまきえうるしばこ「ひしょう」
ページトップへ