紙本著色高野大師行状図〈絵巨勢有康筆/詞源国資等十筆〉

絵画 / 鎌倉

  • 絵 巨勢有康/詞 源国資等
  • 兵庫県
  • 鎌倉 / 1319
  • 10巻
  • 兵庫県神戸市東灘区住吉山手6-1-1
  • 重文指定年月日:19860606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 財団法人白鶴美術館
  • 国宝・重要文化財(美術品)

弘法大師絵伝には六巻本、十巻本、十二巻本と、いくつかの種類があるが、本絵巻はもっとも流布した十巻本の作例であり、完存する十巻本の中ではもっとも古いものと思われる。第一巻巻頭に外題および各巻詞書筆者、絵師名などを記した、元応元年(一三一九)の年記をもつ文書が付載されている。絵師、巨勢有康については他に聞かないが、詞書や外題の筆者については七人ほどその履歴がわかり、大旨、元応元年(一三一九)前後の生存が確かめられる。就中、第一巻詞書筆者、源国資については、正中二年(一三二五)七夕御会和歌懐紙(重文・冷泉家時雨亭文庫)、第五巻筆者、道我については正和三年(一三一四)に東京国立博物館の真言八祖像中の弘法大師賛および、康永二年(一三四三)に『道我僧正記』(皇学館大学)などの筆跡が他に伝わっており、詞書筆者の伝称を確かめることができる。本絵巻は詞書と絵とが同一料紙に書かれている部分が多いところから、絵についても、第四、五、六巻の奥書の年記のとおり、元応元年(一三一九)に描かれたものとしてよい。文書末尾に「為惣分中重寶」とある「分中」の部分は改竄されており、永正三年(一五〇六)の奥書をもつ宝集寺本では「惣持院」となっている。これは高野山中院谷の惣持院のことかと推測される。

紙本著色高野大師行状図〈絵巨勢有康筆/詞源国資等十筆〉

ページトップへ