三浦市三崎町に伝えられるもので左義長【さぎちょう】の舞、初瀬踊ともいわれ、一月十五日に踊られる。当日まず踊宿で御本膳と呼ぶ食事をすませ、御本宮様(海南神社の御祭神)の前で一踊りしたあと、町内の家々をめぐって踊る。踊には「はついせ」「チャッキラコ」「二本踊」「よささ節」「伊勢参」「鎌倉踊」の六曲があり、それぞれ扇、綾竹などを手にして踊る。チャッキラコの名は、採物のコキリコから音転訛したものともいわれる。踊とはいいながら、囃子のことばを返しながらのその姿は軽快な舞の要素もあるなど近世初頭に流行した小歌踊をしのばせる。
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