この芸能は、三河、信州、遠州のいわゆる三信遠地方の山間部に伝えられている湯立行事を中心とした霜月神楽の一種である。古風な霜月神楽の形態をよく残し、この種の神楽と比較できる要素が残っており、貴重なものである。
長野県下伊那郡天竜村向方に伝承されており、一月二十二日の霜月祭四月八日の春祭、九月十九日刈りかけ祭などに行われる。
祭の次第は次のとおりである。「おはらい」「上宮天狗祭」「かまどはらい」「下宮天狗祭」「うちはやし」「お神酒びらき」「神正義【かみしょうぎ】」「みやならし いちの舞」「順の舞」「花のようとめの舞」「きよめの湯立」「湯ばやしの舞 四つ舞」「産土の湯立」「湯ばやしの舞 四つ舞」「二の方諏訪大神の湯立」「三つ舞」「三方大神の湯立」「かいどうくだり」「関殿の湯立」「古伝の舞」「おうろうの湯立」「きりちがいの舞」「しめのご王の湯へ上る湯立」「よなぶねこぎ」「下道ばらい」「火ぶせの舞」「数の湯」。