木造千手観音立像 もくぞうせんじゅかんのんりゅうぞう

彫刻 / 平安

  • 平安
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19820605
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 補陀洛山寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 補陀洛山寺の本尊として安置される等身の三面千手観音像で、左右の脇面が共に瞋怒の形相に作られている。頭躰幹部は足〓を含め一材製として躰部のみ背面より内刳りを行い、左右各一材から彫成した前列より七・七・六段の脇手及び合掌手上膊を肩口に蟻〓を用いて取付ける。材に木目の荒い桧を選び、素地仕上げとする。
 頬の膨らみが強く口唇と顎の突き出た顔立ちと、膝前をわたる天衣に裳の結び紐を懸ける服装、それに、肩の張った光背、薄く幅広い台座など、形制の一部に古様を伝えるが、本面と両脇面にみる一種アクの強い彫りくちや、躰躯の自然な抑揚を伴った肉付けから、十二世紀の製作と考えられる。
 光背に弘治二年(一五五六)の修理銘があるが、頭上面と脇手、光背、台座まで、当初のままに、ほぼ完存している。

木造千手観音立像

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