木造大日如来坐像〈康珍作/講堂安置〉

彫刻 / 室町

  • 康珍
  • 室町 / 1497/附 江戸
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19930610
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 宗教法人教王護国寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 本像は東寺講堂の本尊、丈六の金剛界大日如来像である。講堂の諸尊像は承和六年(八三九)に開眼供養されたが、大日如来像は文明十八年(一四八六)の土一揆による火災で焼失し、明応二年(一四九三)から同六年にかけて再興された。作者は「大仏師正統系図」諸本によれば七条仏所の正系の仏師、康珍である。
 檜材の寄木造で、漆箔仕上げとし、玉眼を嵌入する。頭体は別材よりなり、頭部は四材ないし六材、体幹部は九材をそれぞれ箱形に堅固に組み合わせ、両足部も同様に七材を寄せて造る。像内の構造材等が後補となるが、保存状態は良好である。光背は二重円相光で周縁部に宝塔および金剛界三十七尊を取り付け、台座は蓮華八重座で、これらも大略明応再建時の姿をとどめるとみられる。
 頭部の過大なプロポーション、背中を丸めた構え、実人的な顔付やうねりの強い衣文などに時代の特色がよくでており、室町時代を代表する記念碑的大作といえる。光背化仏中の一体は平安創建当初のものとみられ、創建当初の大日如来像の作風をしのぶよすがとなろう。
 本尊の周囲に配される四仏は、阿弥陀如来像の頭部が平安後期のものであるほかは江戸時代の製作である。

木造大日如来坐像〈康珍作/講堂安置〉

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