金銅密教法具 こんどうみっきょうほうぐ

工芸品 / 鎌倉

  • 鎌倉
  • (五鈷鈴) 鋳銅製、鍍金を施すがほとんど摩滅する。鈴は肩なだらかに流れて裾が広がる。肩は柄の珠文帯の下に二重の伏蓮を冠し、蕊文帯をめぐらす。肩に三条紐、独鈷杵文帯、珠文帯をめぐらし、下方も珠文帯、三鈷杵文帯を、口縁は連弁文帯を飾る。胴中帯部は魚子地宝相華唐草文を表し、四方に円相内にわずかずつ書き方を変えた「梵字(ウーン)」を鋤彫風に鋳表す。把は中央に鬼面四箇を表し、上部は珠文帯で約した蓮はを飾り、先端に鈷を鋳出す。中鈷は三線の樋を刻し、脇鈷は上向竜口から出す。口辺の底面に刻銘がある。
    (五鈷杵) 鋳銅製、鍍金を施しているがほとんど摩滅する。把は太く忿怒相の鬼面を四箇めぐらし、その左右には太い連珠文帯をもっって約した蓮把をつくり、先端に五鈷を付す。鈷は太く、樋を刻し、脇鈷の基部は獅噛となり頭髪を線刻する。
    (独鈷杵) 鋳銅製、鍍金を施すが、摩滅が甚だしい。把は太く、鬼面をめぐらし、連珠文帯で約した蓮把をつくり、先端に節を造り出した鈷を付す。
  • (五鈷鈴) 高22.0 口径9.9
    (五鈷杵) 長19.2 把長5.9 鈷張5.6
    (独鈷杵) 長19.0 把長7.0 (㎝)
  • 3口
  • 重文指定年月日:19550622
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 極楽寺
  • 国宝・重要文化財(美術品)

総体に鍍金が摩滅して黒色化しているが、当初は精緻な作であったことがわかる。宝相華、種子などを配した大形で豪壮華麗な法具として注目され、鎌倉時代の基準作例としても貴重である。

金銅密教法具

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