太刀〈銘備前国友成/〉 たち〈めいびぜんのくにともなり〉

工芸品 / 平安

  • 備前国友成
  • 平安
  • 1口
  • 重文指定年月日:19870606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 個人
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 鎬造【しのぎづくり】、庵棟【いおりむね】、小鋒【こぎつさき】で腰反【こしぞ】り高く踏張【ふんば】りがある。鍛【きた】えは板目【いため】に杢目【もくめ】交り、元【もと】は板目大きく流れる。総体に肌立ちごころに地沸【ぢにえ】つき、地斑【ぢふ】交り、淡く映【うつ】り立つ。刃文【はもん】は小乱【こみだれ】で、全体に浅くのたれ調子となり、所々に小丁子足入【こちようじあしい】り、金筋【きんすじ】・砂流【すなが】しかかる。帽子は浅くのたれて返る。茎【なかご】は生ぶで、雉股【きじもも】形をし、先は栗尻【くりじり】。鑢目【やすりめ】不明。目釘孔一。表の棟寄りに「備前国友成」と刻銘がある。
 友成【ともなり】は日本刀が完成した平安時代中期から後期頃の刀工で、備前鍛冶の祖と伝えられている。腰反りが高く踏張りつき、先をやや伏せた小鋒の優美な姿は製作年代の古さを示している。また地肌がさほど整わず、地沸【ぢにえ】を敷いて淡く映【うつ】りが立ち、丁子の刃文がほとんど交らない小乱の刃文などは、平安時代の備前物の中でも特に古雅である。
 現存する友成の作中、鶯丸【うぐいすまる】と称される太刀(宮内庁)と共に最も古いものの格調高い一口であり、製作当初の姿をほぼそのまま伝えて保存も良好である。

太刀〈銘備前国友成/〉

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