木心塑造大道和尚坐像(所在祀堂)

彫刻 / 南北朝

  • 南北朝
  • 1躯
  • 重文指定年月日:19780615
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 永明院
  • 国宝・重要文化財(美術品)

東福寺第六世の住持、円鑑禅師(蔵山順空)が葬られている墓の上に建つ堂(祀堂)には、現在表記の三体の像が今も祀られているが、中央の円鑑禅師像はその納入品によって歿年(延慶元年=一三〇八)から十年程の間に作られたことがわかる。当代の肖像特に頂相彫刻中、製作時期のわかる都作として貴重である。右側にある釈迦如来像は禅宗寺院の本尊として作られることの多かったいわゆる宝冠釈迦の像で、納入品や像底の銘によって製作の時・作者等を明らかにしている点、この種作例の基準となる。作者性慶もこの頃の都仏師として他に作品も知られている。左側にある大道和尚像は古い木彫像を改造して塑土仕上げとした珍しい手法を用いており、また、円鑑禅師の法統を伝えた著名な像主の割合いには肖像の少ないものである。これら関係の深い三体の像はその美術的な価値に加えて、納入品とも一括して禅宗の塔頭寺院の本来のあり方を伝える資料的価値が大きい。

木心塑造大道和尚坐像(所在祀堂)

ページトップへ