桐鳳凰蒔絵糸巻太刀拵 きりほうおうまきえいとまきたちこしらえ

工芸品 / 室町

  • 室町
  • 3口
  • 重文指定年月日:19840606
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 鶴岡八幡宮
  • 国宝・重要文化財(美術品)

 北条氏綱が綱広、綱家、康国の三人に命じて打たせた太刀に拵を付けて天文七年(一五三八)鎌倉の鶴岡八幡宮に奉納したものである。
 太刀は三口共に長寸で、鎬造、身幅広く、反りの高い姿をし、鍛えは板目肌、刄文は互の目に飛焼を盛んに交じえて皆焼【ひたつら】となって、室町時代の相州物の作風をよく示している。銘文は各々に「奉納八幡宮御宝殿北條左京大夫平氏綱、天文七〈戌/戊〉年八月二日所願成就皆令満足」、及び作者銘がある。
 糸巻太刀拵は三口の太刀の拵で、鐔の形を異にするほかは同様に造られている。金具は赤銅地に唐草文を毛彫し、鐔は形を異にしているが葵形に属するものである。目貫は桐紋三双で赤銅の容彫色絵とする。柄は赤地銀襴で包み、茶・紺糸巻とする。鞘は潤【うるみ】朱塗、表裏に各々三羽の鳳凰と十個の桐紋を針書の技法を交じえた平蒔絵で配している。室町時代の太刀様式を知る上で重要な資料であり、また制作年代のわかる蒔絵資料としても意義がある。
 三口まとまって当初の太刀拵の付いたまま伝えられ、しかも奉納者、奉納時期のわかる遺品として貴重である。

桐鳳凰蒔絵糸巻太刀拵

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