絵画 / 鎌倉
法相宗の諸師を系統的に図示した法相宗曼荼羅は、南都(奈良)の興福寺、薬師寺、法隆寺に伝存する。多くの作例が弥勒(みろく)菩薩を本尊とするのに対し、本図は釈尊を本尊とすることに特色がある。釈迦の右下に教主弥勒菩薩を表し、左右に無着(むちゃく)・世親(せしん)の兄弟をはじめとするインドの五祖師、その下方に中国の四祖師、さらに日本の三祖師である玄肪(げんぼう)・善珠(ぜんじゅ)・真興(しんごう)を配す。尊像や高僧にみられる穏やかな表現は、鎌倉時代後期の南都仏画の作風である。
法相曼荼羅図
絹本著色法相宗曼荼羅図
絹本著色泗州大師像