熊野十二社権現御正体〈十三尊/〉 くまのじゅうにしゃごんげんみしょうたい〈じゅうさんぞん〉

工芸品 / 鎌倉

  • 奈良県
  • 鎌倉
  • 円形鍍銀の鏡板周縁に覆輪を施し、鏡地に十三体の仏、菩薩、明王などを配置している。像は中央に阿弥陀、その右には薬師、左に千手の三体を大きく配している。これらの廻りの上部には十一面を中心に右に地蔵、左に竜樹を、二段目には如意輪、聖観音、三段目には文珠、普賢、さらに最下段には釈迦を中心に右に毘沙門、左に不動を配置している。すべて坐像で、如来、菩薩形は蓮華座に坐し、唐草文透彫舟形光背を負うが(如意輪のみ欠失)、不動、毘沙門は岩座に坐し火焔光背を負っている。
    各像とも台座と一鋳になり、鍍金を施し、頭髪、眉目、髭、口唇などには着彩している。金銅の覆輪には三点二点ずつの笠鋲を打ち、稜肩には蓮華文線刻の花形鐶座に切子頭鐶台を据え、茄子形鐶をつないでいる。裏面には檜の板を当てている。
  • 鏡板径41.3 (㎝)
  • 1面
  • 奈良国立博物館 奈良県奈良市登大路町50
  • 重文指定年月日:19610217
    国宝指定年月日:
    登録年月日:
  • 公益財団法人細見美術財団
  • 国宝・重要文化財(美術品)

本御正体では、本地仏十三体がすべて配置されている。この種の遺例は、細見美術館のもう一面の他数面が知られるのみである。中でも本品は作技が優れ、保存がほぼ完好な代表作である。

熊野十二社権現御正体〈十三尊/〉

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